失業保険は、これまで働いていた人が自ら退職したり、倒産やリストラなどの会社都合によって失業した場合に、新しい仕事に就くまでに支払われる給付金のことです。失業保険は主に以下の4つのことを目的としているため、退職したら必ずもらえるものではありません。

  • 求職活動期間の生活の安定
  • 再就職の促進と支援
  • 働く人の能力開発の支援
  • 高齢者や育児休業者の雇用継続の促進・支援

以上から、失業保険はこれまで雇用保険を支払っていた人がもらえる求職活動中の生活資金と、再就職するための職業訓練資金ということができます。そのため、失業保険は誰しもがもらえるお金ではありません。失業保険をもらうためには、大きく分けて2つの条件があります。

失業保険をもらう2つの条件

失業した際には基本的に失業保険がもらえますが、失業保険をもらうには2つの条件があります。

  1. 過去2年間に通算12ヶ月以上の勤務実績がある(一定期間、雇用保険を支払っている)
  2. 働く意思があり、いつでも就職できるような健康状態や家庭環境がある(働くことができる)

「失業」とは、離職した人が、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」ことをいいます。

したがって、次のような状態にあるときは、失業給付を受けることができません。

  • 病気やけがのために、すぐに就職できない時
  • 妊娠・出産・育児のため、すぐに就職できない時
  • 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っている時
  • 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができない時

また、独立するためや、勉強するために会社を辞めた場合も失業と言えませんので、失業保険の対象外となります。ただし、ケガや病気などですぐに就職ができない場合や妊娠・出産・育児などの場合は、失業保険をもらう時期を延長することができたり、失業保険とは別の労災保険や健康保険から給付金が出る場合がありますので、それぞれの保険を管轄するところで一度ご確認ください。

このように失業保険は失業したら誰もがもらえるわけではありません。働きたいけど、なかなか就職することができない人が対象となるのが失業保険です。失業保険は「退職後の就職活動の生活支援や訓練資金としてもらえるもの」と考えるようにしましょう。

失業保険をもらうための手続き

失業保険はじっとしているだけではもらえません。あなたの住所を管轄するハローワークに行き、ハローワークに失業を認定してもらうことで、失業保険がもらえるようになります。失業保険をもらうための手順は大きく5つです。

  • 書類の準備

    ①必要書類をそろえる

    まず、あなたが働いていた会社から、離職票(正式には、雇用保険被保険者離職票)をもらいます。通常、離職票は、離職後に働いていた会社から郵送されるのが一般的です。会社に出向いて、直接受け取りに行く場合もあります。万一、会社から離職票がもらえない場合は、あなたの住所を管轄するハローワークにご相談ください。止むを得ない理由がある場合や正当な理由がある場合は、対応をしてくれます。

    失業保険(求職の申込)に必要な書類

    • 離職票
    • 雇用保険被保険者証
    • 運転免許証など顔写真つきで本人確認ができるもの
    • 印鑑
    • 写真2枚(直近3ヶ月以内、縦3cm×横2.5cm)
    • 本人名義の普通預金通帳(銀行または郵便局の通帳)
  • 求職の申込

    ②管轄のハローワークに行く

    必要書類を持参して、あなたの住所を管轄するハローワークに行きます。失業保険は、あくまで「働きたい人が対象」であるため、ハローワークで最初に行う手続きは「求職の申込み」です。求職申込書に就職先の希望条件や経験した仕事内容を書いて、辞めた会社からもらった離職票と一緒に窓口に提出します。 その後、ハローワークの職員から、失業保険の受給条件を満たしているか(働く意志があるか、必要書類がそろっているか)などの確認があります。受給条件が認められると、失業保険の受給説明会の日時が指定されます。 最後に「雇用保険受給資格者のしおり」という冊子が渡されて、ハローワーク初日は以上で終了します。

  • 待期期間

    ③待期期間として7日間の失業期間を過ごす

    ハローワークで求職の申込をした日から通算して7日間の期間を「待期期間」といいます。失業している期間が通算して7日に満たないと、自己都合による退職や会社都合による退職など、どんな退職理由にもかかわらず、失業保険をもらうことはできません。ただし、待期期間にアルバイトなどの就業を絶対にしてはいけないという訳ではありません。失業をしている日数が「通算」して7日間あれば待期期間は完成します。ただし、アルバイトなどを行うと、その分、失業保険をもらえる日が遅くなりますので、ご注意ください。また、自己都合により退職した場合には、この待期期間から更に3か月間は失業保険をもらうことができません。

  • 受給説明会

    ④管轄のハローワークの「失業保険の受給説明会」に参加する

    指定された日時の受給説明会に参加します。この説明会には必ず出席しなければなりません。初回のハローワークでもらった「雇用保険受給資格者のしおり」、印鑑、筆記用具等を持参します。この説明会に参加すると、「雇用保険受給資格者証」、「失業認定申告書」が渡され、第一回目の「失業認定日※」を知らされます。

    ※失業認定日とは、あなたが失業状態であることをハローワークが確認するための日で、原則として指定された日にハローワークに行かなければなりません。指定日にやむを得ない事情があり、参加することができない場合は、ハローワークの職員にご相談ください。

  • 失業の認定

    ⑤管轄のハローワークで「失業の認定」を受ける

    管轄のハローワークで失業状態にあることの確認を受ける(失業の認定)ため、原則として、4週間に1度、指定された日にハローワークに行かなければなりません。この指定された日に管轄のハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します。この失業の認定を受けて、初めて失業保険がもらえるようになります。失業の認定を受けなければ、失業保険はもらえませんので、ご注意ください。失業保険の振り込みは、認定日から約1週間後が目安となっています。

このように、聞き慣れない必要書類があったり、何度もハローワークに行かなければ、失業保険をもらうことはできませんが、慣れないのは最初だけです。これまで毎月の給与から天引きされながら、ずっと支払ってきた雇用保険ですから、せっかくもらえるものをもらわないのはもったいないですね。一度、ハローワークに失業状態を認定してもらえれば、ハローワークには求人を探しに行く場合を除いて、最低月に1度ハローワークに行くだけで済みます。ハローワークをメインに就職活動をしていない場合は、失業認定日にハローワークの求人検索で求人を探し、認定日以外はインターネットの求人サイトや転職エージェント(人材紹介会社)などで求人を探すと、失業保険をもらいながら効率的に就職活動を行うことができます。

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失業保険をもらえる金額はどれくらいなのか?
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